吉田電材蒸留所

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お酒造りをしようと思ったきっかけ

2022.05.13 試験蒸留
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自分がお酒造りをしようと思ったきっかけ


醸造, 蒸留を担当している北村です。
自分がお酒造りに関わろうと思ったきっかけについて、少しだけ書かせていただきます。
自分がまだ大学生だった頃。
大学生と言えば飲み会ですが、当時の自分にはお酒なんて買うお金の余裕はありません。


ある時ふと、「買えないなら作ればいいんじゃないか!」と思いついて、早速作り方を調べてみました。


日本には酒税法というものがあって誰でもお酒を作っていいわけではないと知り、落胆したのは言うまでもないことなのですが、その時に、「お酒造りには酵母という”微生物”なるものが必要なのだ」ということも知ったのです。


ある時、日本酒の酒蔵で造りを見学させていただきました。

とても寒くて静かな部屋の中、もろみに満たされたタンクが白く泡立っている様子が見えたので、近寄って匂いを嗅がせていただくと、鼻を刺すツンとした高濃度の二酸化炭素と甘くて美味しそうな良い香りがして、なんとも言葉で、不思議でとても美しい光景だったように覚えています。

そのタンクの中で、人の目では見えないほど小さい生物たちが数えられないほど大勢、それも色々な種族がいて、生まれたり死んだり、戦ったり協力したり、生活している。
自分には見えないだけで、実はそこに在って、彼らは彼らなりのやり方で全力で生きようとしている。
そして人間は人間なりのやり方で、自分たちに都合の良い”発酵”をもたらす微生物との付き合い方を模索して長い歴史を積み上げてきた。
お互いにただ自分たちがいいように生きて、その結果こんなに深い生活や文化が作られている。
その生きることに対する真摯さがとてもとても魅力的に思えたのです。
人間も含めて生きようとする者たちが集まる魅力的な環境で、微生物との関わり方を探っていきたい、と思ったのがこの業界に入ったきっかけです。

これから立ち上がる吉田電材蒸留所でも、微生物との関わり方をもっと深めていけたらと考えています。

グレーンウィスキーは原料の組み合わせを比較的自由に決めることができます。
選んだ原料によって仕込み方、もろみの性質や酒質が変わってくるため、それに合うような酵母を選ぶ必要があります。
もしくは、最初から原料に住み着いていた微生物が特徴のある香りを形作るなんてこともあるかもしれません。
まだまだ生まれたてで、これからの部分ばかりですが、こういった微生物との関わり方を常に考えながらより良い、面白いウィスキーを作っていきたいと思います。

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