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吉田電材蒸留所の立ち上げに来た二人の外国人

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ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル、吉田電材蒸留所所長の松本です。当社では日本で初めてグレーンウイスキー専業のクラフト蒸留所を開設し、日々奮闘しております。このブログではその様子をご紹介します!

前回のブログで、工場の機材搬入から組み上げまでの様子をお伝えさせていただきました。今回はその続編ということで、十分な図面もなく組み上げた蒸留器がちゃんと動くのか?そして立ち上げの製造指導にきてくれた、バーボン業界の有名人の活躍を紹介します!

ヤクザな名前!?ウルフギャングさん

まず、蒸留所入りしてくれたのは、スチルメーカー「KOTHE」から派遣されてきたウルフギャングさんです。「狼」と「ギャング」ですので、めっちゃ怖い名前ですよね。(^^;

あまりにもヤクザな名前なので、初めとんがったビジネスネームなのか!?とか思いましたが、本人に聞いたら、ドイツでは古い伝統ある名前なんだそうです。あのモーツァルトもウルフギャングなんだときいてびっくり。調べたらやっぱりそうでした。

ウルフギャングさんが蒸留器のくみ上げをチェックしているところ

名前は怖いですが、本人はいたって温厚でクレバーな方です。我々が組み上げた設備を一つ一つ丹念にチェック。約1週間かけてもくもくと作業を進めてくれました。職人ですね!

でも、ドイツ語なまりの英語は、聞き取るのが結構大変です。

たとえば、あるとき「ダータ」「ダータ」といっていて、私は「???」。これは「data」(データ)のことなのですが、理解するまで少し時間がかかりました。(笑)

こんな感じで、中途半端英語の当社メンバーとドイツなまり英語のウルフさんとで、コツコツ設備と操作ソフトウェアの仕上げを行っていったのでした。

ウイスキー業界の有名人ロバートバーネッカーさん登場!

設備担当のウルフさん(左)とKOVALのCEOロバートさん

設備がちゃんとセットアップできたら、今度は生産の立ち上げです!

立ち上げ製造指導にはシカゴの有名蒸留所「KOVAL」のロバートバーネッカーさんが駆けつけてくれました。ロバートさんは実家が蒸留所&ワイナリーだったこともあって、幼少期からクラフトディスティラリーにかかわってきたそうです。さらには精力的に後進も育成し、2000人以上の造り手を送り出したといわれています。そうした貢献により世界的にも有名なWhiskey Advocate誌によって、「世界のクラフトディスティラーズ10人」の1人に選ばれています。

もちろんKOVAKのウイスキーも数々の賞を受賞しています。特に原料の味わいをそのままグラスに表現したいというコンセプトで、オーガニックを重視したスピリッツを作り上げる高い技術には定評があります。

このような方に指導をしてもらって、本当にうれしい限りです。

当社も、国産原料にこだわった(まだ国産比率70%ですが、それでも今のことろ日本で一番国産原料比率が高い蒸留所です!)ウイスキーを目指していますので、考え方も通じるところがあります。

クッカーの中を覗き込むロバートさん。原料投入中です!
今回の立ち上げ中心メンバー4人のショット

そしてついに、初めてのスピリッツが蒸留器からでてきました!

記念すべきはじめてのスピリッツが出てきたところ

約一週間の立ち上げ製造の最終日、ついに吉田電材蒸留所はじめてのスピリッツが蒸留器から流れ出てきました。感無量!

当社のアドバイザーをやってくれているキリンの名誉ブレンダー早川さんによれば、「連続蒸留器をつかったグレーン原酒にくらべると、香りや味わいが全然ちがう」とのご評価を頂いてニンマリ。(笑)

どんな原酒がでてくるのか?日本で初めて「グレーン専業」ってホントに大丈夫!?と言う不安から解放された一瞬でもありました。

ロバートさんからも「はじめてにしてはGOOD!」と卒業試験合格のお墨付。

こうして、海外からのお二人を迎えての、密度の濃い蒸留所立ち上げ2週間が無事終了したのでした。

(終わり)

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